春にいだかれ
4月生まれの私です。ある日車窓から土手の桜並木が見えました。菜の花も揺れています。私を身篭っていた60年前に、母も同じような景色を見たのだろうか、私も母のお腹の中で春を感じていたのだろうか。
遥か 遠い 春の 朝に 身重だった 私の母も
桜舞い散るこんな空を どこかで仰ぎ 見ていたのか
赤子の 私を 胸に抱く その日を いつだろかと指折り待ちながら
生命の ぬくもりに 春うららと 歌いだす
優しく包む 母の愛に 私は 深く 眠っていた
心の奥の そのまた奥で 揺れる記憶は 蜃気楼
水の ぬるむ 小川の土手で 私を 抱いた 若き 母は
眠る私に 顔を寄せて いとしい子だと ささやいたか
赤子の 私が ひとりで 歩く日は いつだろかと野に咲く花に問い
芽吹きの 光り浴び 元気に育てと願う
優しく響く 母の想い 私に 届く 歌となり
心の奥の そのまた奥の 記憶を 辿る 春の道
赤子の 私が ひとりで 歩く日は いつだろかと指折り待ちながら
生命の ぬくもりに 春うららと 歌いだす
優しく包む 母の愛に 私は 深く 眠っていた
心の奥の そのまた奥で 揺れる想いは 蜃気楼
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