寄居の山賊

山キチ男の山行記録(旧サイトより徐々に移行中)

山行記 日本300名山

No,32 南アルプス:南部主脈縦走 千枚岳(2789.8m)悪沢岳(3140m)荒川中岳(3083.2m)荒川前岳(3068m)赤石岳(3120m)大沢岳(2819.4m)中盛丸山(2806m)兎岳(2799.3m)聖岳(3011m)小聖岳(2662m)上河内岳(2803m)茶臼岳(2604m)仁田岳(2523.8m)易老岳(2354m)イザルガ岳(2540m)光岳(2591.1m)

2023/08/24

平成10年8月1日~9日(8泊9日)  単独行

8月1日(晴後曇) 寄居(05:00発)~小川駅(05:10着05:23発)~池袋駅(06:48着)~東京駅(07:45発)~静岡駅(08:45着09:53発)~畑薙第一ダム(13:25着15:10発)~椹島(16:10着)

自宅を朝5時にかみさんに小川駅まで送って貰う。新幹線車中で作って貰ったパンで朝食。静岡駅より新静岡駅への移動は少々解り辛い。センタービルで昼食弁当を買い、畑薙ダム行きのバスに乗り込む。バス待ちの時、私の後ろに並んだのがこれから行動を共にすることになったO君であった。バスは人数が多い為、3台出ることになり楽にそわれた。また3時間半の道中の為、ガイドの女車掌もいる。岡君と会話をしていた為か、長くは感じなかった。 ダムでは13時半頃発の椹島行きのリムジンが、余りにも人数が多い為、2台出たが乗り切れずその後2時間待ちとなる。ここでまたその後行動をともにする浜松のNさんと知り合う。 やっとこ2時間待ちで乗ったバスも寿司詰め状態で参った。  椹島は一大登山基地と言った感じで、売店、食堂、キャンプサイト、宿舎煉と充実しており、宿舎も4人部屋で風呂も有り素晴らしい。夕食5時~6時、風呂4時~7時、消灯9時。 浜松のNさんと意気投合しビールで話が弾む。野外だったので蚊に襲われた。この晩は部屋は良いが、同部屋の3名がお年寄りで7時には就寝、こっちは眠れず、暑いし蚊には刺されるしで参った。

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東京駅発 新幹線ひかり153   静岡バス(新静岡より2台と静岡駅よりの計3台) 静岡駅~畑薙第一ダム(運賃2580円、荷物代1300円)
畑薙第一ダム~椹島 東海フォレストリムジンバス(2,000円)           椹島ロッジ 1泊2食 8,000円 弁当 500円


 

8月2日(曇後雨) 椹島(06:20発)~小石平(08:40着発)~清水平(09:50着発)~蕨段(11:00着発)~千枚小屋(13:50着)

椹島を6時過ぎに出発、鬱そうな森の中の尾根をただ只管、黙々と高度を稼ぐ。清水平付近より雨、壮大な赤石岳はガスの中だ、登山者は多い。千枚小屋直下より高山植物の群落が凄い。小屋も混んでいて、寝場所をまずキープする。 千枚小屋の御主人、大変ひょうきんで楽しい。 8時頃までNさんと岡山のSさんと談笑する。午後7時前の気象情報をコーヒーを飲みながらチェック、ここで3名の即席パーティーが出来上がった。 千枚小屋からは笊ヶ岳、布引山などの白根南嶺の山々や富士山が正面に望めた。

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千枚小屋  1泊2食 7,500円   弁当 500円


 

8月3日(雨後曇) 千枚小屋(07:00発)~千枚岳(07:40着07:50発)~悪沢岳(09:30着09:50発)~中岳避難小屋(11:15着12:30発)~荒川中岳(12:40着12:50発)~荒川前岳(13:00着13:10発)~荒川小屋(14:35着)

朝より雨、千枚岳、悪沢岳ともに山頂で横殴りの風雨、最悪だ!もちろん展望は皆無。 中岳避難小屋で昼食、弁当にNさんにラーメン、Sさんにコーヒーを頂きやっと温まる。しかし避難小屋には人も大勢居たので寒くは無かった、夏場は管理人さんも居るようだ。 中岳山頂付近でガスが薄くなり切れ始めた。荒川岳よりの下りは結構きつかった。 荒川小屋は綺麗でトイレも水洗で驚いた。私は食事付きなので本館だが、N、Sさん両名は自炊の為別棟だ。3人共翌日よりコースが異なる為、自炊小屋で最後のお別れの晩餐をした。

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荒川小屋  1泊2食 7,500円   弁当 500円


 

8月4日(ガス後晴) 荒川小屋(06:35発)~大聖寺平(07:15着07:25発)~小赤石岳(09:00着09:10発)~赤石岳(09:45着10:45発)~百軒平(12:15着12:30発)~百軒洞山の家(13:20着)

朝6時半まで赤石岳か悪沢岳にするのか迷って、結局予定通り赤石に決着。大聖寺平付近からガスが切れ始め、小赤石の登りでガスが晴れ、一気に壮大なパノラマが目前に出現した。またこの付近でO君と再び会い、行動を共にした。小赤石岳付近で雷鳥の親子と遭遇。 赤石岳山頂では晴れ渡り、荒川岳、聖岳など南アルプス南部、北部の山々が一望出来た。 百軒洞まではかなりの急降下、膝が笑う。 百軒洞は沢沿いの緑濃い所だ。山小屋に入ると、Sさんが既に寛いでいた。ここまで来るとさすがに足のたこが痛く、Sさんに良いテープを貰い足裏に張った。  百軒洞山の家は噂通り夕食が、揚げたてのトンカツと蕎麦でご飯もボリューム有り最高だ。 この晩は山に入って始めて布団に寝た。

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百軒洞山の家  1泊2食 8,000円   弁当 500円


 

8月5日(晴後曇後雨) 百軒洞山の家(05:00発)~大沢岳(06:30着06:40発)~中盛丸山(07:25着07:30発)~小兎岳(08:20着08:30発)~兎岳(09:20着09:40発)~聖岳(13:00着13:40発)~小聖岳(14:25着14:40発)~聖平小屋(15:50着)

Sさんと再び行動を共にする。長丁場なので5時には出発した。 大沢岳の登りで三脚が這松に引っ掛かり壊れるアクシデント。大沢岳ではピークを間違え1時間ロスる、稜線からは聖岳が大きく迫る。 途中、小兎岳で休憩、何と水筒から水が漏れ、ザック内でジャージ類がずぶ濡れと大失敗に気付く。兎岳で山頂に居た方に水は分けて貰い何とか凌いだ。この付近から朝食も摂ってない為ばて始め、聖の登り下りだけで2時間もオーバーし、同行のSさんに迷惑をかけてしまった。やっとこ着いた聖の山頂では残念ながらガスで展望は得られなかった。下りの途中より空模様が怪しくなってくる、小屋に着いた途端雨が降り出しギリギリセーフ。 聖平小屋では2階で悠々と眠れた。食事はカレーライス、トイレは少々遠く、余り衛生的ではな無かった。テン場はカラフルなテントの花が咲いていた。 小兎岳山頂で水を分けて頂いた方にはお礼に缶ビールを渡した。Sさんは翌日が早いらしく早々にシュラフに潜った。アクシデント続きの5日目が終わった。

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聖平小屋 1泊2食 6,500円  弁当 700円  シュラフ代 1,000円


 

8月6日(快晴) 聖平小屋(05:35発)~南岳(07:15着07:30発)~上河内岳肩(08:10着08:25発)~上河内岳(08:10着08:25発)~茶臼岳(10:20着10:45発)~茶臼小屋(11:20着)

本日は朝より快晴、今回山に入って一番の天気だ!Sさんは起きた時には既に居なかった。椹島までの為、暗い内に出たようだ。南岳へと樹林帯より再び高度を稼いで行く、聖岳が徐々に大きくなる。稜線までは中々遠い。南岳に着くと聖は元より、赤石、荒川と素晴らしい展望だ。上河内も目前に大きくなり肩までもう一分張り頑張る。肩に着くと光岳より南アルプスの深南部の山々が望める。ザックをデポし山頂へ、上河内山頂からは荒川、赤石、聖とジャイアンツが揃い踏み、茶臼~光の稜線、富士、大無間山等素晴らしい。 上河内~茶臼間では亀甲状土も見られて感激した。振り返ると上河内岳がスタイル良く天を突いている。 茶臼岳でも兎岳~聖、上河内または光岳が間近に望めた。 茶臼小屋に着くとOくんが既にテントを張り終えていた。フィルムも36枚撮りを12本も持ってきたが、足りそうにも無いので、同宿者に1本譲って貰った。さすがにここまで来ると宿泊者も少なくなる。

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茶臼小屋 1泊2食 7,000円


 

8月7日(雨)  茶臼小屋停滞

本日、朝より強い雨の為、停滞を決め込む。O君も如何やら停滞らしく、小屋に呼んで隣に寝ていた宮城よりいらしたSGさんと3人で時間を潰す。しかし今回は長丁場の為、食料を控えたので腹が減り夕食までが長かった。雨は午後の2時過ぎまで降り続いた。

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茶臼小屋 1泊2食 7,000円


 

8月8日(晴後濃霧) 茶臼小屋(04:00発)~茶臼岳(04:40着04:55発)~希望峰(05:35着発)~仁田岳(05:50着05:58発)~易老岳(07:26着07:50発)~静高平(09:30着09:40発)~センジガ平(09:55着発)~イザルガ岳(10:00着発)~光小屋(10:20着発)~光岳(10:40着「光石往復10:50発11:00発」11:10発)~光小屋(11:25着11:40発)~易老岳(13:10着13:15発)~希望峰(14:25着発)~仁田池(14:45着発)~茶臼小屋(15:30着)

朝は3時起床、4時に出発。本日は光岳のピストンである、昨日停滞の3人で再び即席パーティーが出来上がった。朝4時前さすがに外は暗い。茶臼の登りで腹の調子が悪く大キジを撃つ。茶臼山頂では御来光を待つがガスで駄目、先に進む。 仁田岳もピストンし、行程中写真を取り捲る。私が先頭を歩き良い被写体がある事に止まって写真を撮った。 易老岳手前付近より植物の生態系が変わってくる、雨量の為かシダ、苔類が異常に多くなってくる。有名な山蛭には御目に架かれなかった。三吉平付近は標識無く不明瞭である。  光岳山頂部は別世界でセンジガ平の亀甲状土のお花畑が大変綺麗である、トリカブトの群落も見られた。また小屋付近は自然庭園と言った感じで、自然の松などが這えている。展望も南部の山々が美しい。  新しい小屋も建設中で来年よりオープンとの事。 山頂を踏んだ後、光石迄行き小屋で昼食後ビールで乾杯、解散式をした。私は茶臼小屋へ、O君は寸又峡へ、SGさんは光小屋泊だ。 帰路は急いで戻り、結局6時間のコースタイムを3時間半で戻り、自分自身驚いた。最後はへとへとであったが!小屋はまた昨日と違った新たな顔が揃っている、早々にシュラフに潜り爆睡モードに突入した。

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茶臼小屋 1泊2食 7,000円


 

8月9日(晴) 茶臼小屋(05:50発)~横窪沢小屋(07:20着07:40発)~ウソッコ沢小屋(08:40着08:55発)~ヤレヤレ峠(10:00着10:10発)~畑薙大吊橋(10:30着10:40発)~沼平登山センター(11:20着11:25発)~畑薙第一ダム(11:45着12:20発)~静岡駅(15:10着16:34発)~東京駅(17:33着)~寄居(20:00着)

いよいよ最終日、朝は6時前に出発。茶臼よりの下りは長い、又道も荒れている。前半結構タイムを詰めたが、最終的にはコースタイムの6時間かかった。(大吊橋からダムまでの林道は1時間になっているが、1時間半にしておくべきだ。)沼平登山センターで下山届けを提出。  大吊橋は思った通り恐ろしかった。ダムの売店で土産を買い、帰りのバスの中で茶臼小屋の弁当を食べた。うとうとした為か、あっという間に静岡駅に着いてしまった。さすがに9日間も風呂に入らず、髭もそらないと駅を歩くのにも抵抗がある。 帰りの新幹線は日曜日でも自由席の空席が無い為、グリーン車の指定席にした。高いがどうしても座りたかった。 小川駅からはタクシーで帰り着いた。  今回の山行では小屋泊の為、ガスと食料を余分に持たなかったのが大失敗。光小屋などは、50歳以上3名以下でないと食事も出ず、また寝具が無いと止まれないとの事。南アルプスは北に比べ登山の原点の仕度は最低でも持参すべきである。又、三脚が壊れ、聖平小屋ではストックを盗まれ、カップが紛失と用具関係は散々であった。
今回の山行で知った携帯すると良いもの(サブ水筒、サブカメラ、豆用絆創膏、トクホンチール、物干し紐、仕分袋、枕、非常食など)
前半は悪天候であったが、3日目より天気も持ち、予備日を1日とっておいたのは正解だった。南部をいっぺんに踏破出来た事は日数的にも今後は不可能と思われるので有意義な山行であった。又友人も結構出来、色々と勉強になった。

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畑薙第一ダム~静岡駅 3,880円   静岡~東京 新幹線 5,080円   タクシー代 1,540円  他

-山行記, 日本300名山