寄居の山賊

山キチ男の山行記録(旧サイトより徐々に移行中)

山行記 日本300名山

No,92 北海道:表大雪~トムラウシ縦走 旭岳(2290m)白雲岳(2229m)北海岳(2149m)忠別岳(1963m)五色岳(1868m)トムラウシ(2141m)

2024/08/19

No,92 北海道:表大雪~トムラウシ縦走 旭岳(2290m)白雲岳(2229m)北海岳(2149m)忠別岳(1963m)五色岳(1868m)トムラウシ(2141m)

平成13年7月18日~23日(5泊6日) 単独行

7/18(晴) 寄居(05:50発)~羽田AP(09:30着10:25発)~千歳AP(11:30着12:30発)~旭川(15:40着15:55発)~旭岳温泉(17:00着)

今回、航空券はネットにて探した格安航空券のAIRDOを利用した。旭川空港までが良かったが、やはり安い方が良い。羽田空港のAIRDOカウンターにてガスボンベを回収されてしまう、また手荷物預かりでも厳しくザック、マット、三脚など3箇所に分けてとの事だ。ガスについては待ち時間に連絡を取り旭岳温泉ロープウェイやユースにもあるとの事で一安心した。 千歳で手荷物回収時、一番最後になり札幌行きのバスにも遅れる。結局、旭川からのバスの最終に間に合わずタクシー利用になる。11,200円も係ってしまった。 北海道は思ったより暑い。車中、週間天気予報で19日~20日と雨天との事で、1日停滞を予定しトムラウシ温泉泊を1日ずらし、レンタカーもキャンセルした。  旭岳ユースはウッディな建物で綺麗である。食事も良く風呂も時間制限無く良い。夜7時から1時間ビジターセンターで大雪の自然の映写会が開かれた。私は入浴し8時には布団に入った。

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7/19(晴後曇、濃霧)  旭岳ユース(05:30発)~ロープウェイ駅(05:45着06:15発)~姿見駅(06:25着06:35発)~旭岳(08:50着09:10発)~間宮岳(10:08着10:10発)~荒井岳(休憩)~松井岳(11:15着発)~北海岳(11:20着11:40発)~白雲分岐(12:45着12:55発)~白雲岳(13:20着13:37発)~白雲分岐(14:00着14:10発)~白雲岳避難小屋(14:35着)

天候は予報が外れ、朝は晴、ユースからも旭岳が望める。5時半に宿を出発、既にロープウェイ待ちで30名程の列が出来ていた。15分発の2便で姿見駅へ。さすがに荷物が重い、歩き始めると直ぐに高山植物が目に付いた、地獄谷のガスが濛々と立ち上る。8合目付近までは快晴、展望もトムラウシ、高根ヶ原、忠別、十勝連峰、石狩、ニペソツなどが望める。旭岳山頂に着くと残念ながらガスで展望は無し、登山者は多い。少しの間待ったが、晴れそうにも無い為早々に雪渓を下る。その後もガスが晴れたり、曇ったりはっきりしない天気が続く。一時的に旭岳の山頂部も晴れ渡った。 間宮岳で北鎮、稜雲、黒岳、御鉢平がほんの数分見事に望めた。 北海岳までは緩やかな起伏が続く、右手にはガスった白雲岳と高根ヶ原。北海岳山頂は砂塵の広い山頂だ、御鉢平が大きい。 ここから方向を90度変え白雲との鞍部へ下る、高山植物が凄い。白雲の尾根に登りきると、そこが小泉岳方面との分岐だ。荷物を置いて白雲までピストンにした。山頂は岩場で展望は旭岳方面はガスって駄目、しかし山頂一帯は良く望めた。ここから避難小屋まで荷物のせいもあり下りがきつく感じた。今年は例年に無く残雪が多いようだ。小屋は既に7割近く埋まっていた、テントか迷ったが張る元気が無かった。小屋は有料で管理費が600円、避難小屋にしてはまあまあだ。今日は緑岳くらいしか望めない、16時頃より雨になった。満員のせいか夜も意外と寒くは無かった。

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7/20(雨後曇)   白雲岳避難小屋停滞

朝2時半に目が覚める、雨の屋根を叩く音が強い。4時半に外へ出てみるとガスが濃い。その後雨脚が強くなった。停滞を決意する。 正午頃、小屋の約7~8割が埋まる。銀泉台からの登山者が多いようだ。団体でテントが無い方が多く、管理人も困っているようだ。午後3時前トイレで外へ出てみると、何とリスが遊びに来ていた、人馴れし逃げなく可愛い。 夕食中、慌ててカメラを持ち何名か外へ出る人、これはと思って直ぐに外へ出てみると、夕方5時前、高根ヶ原の上に遥かなる山トムラウシがとうとう姿を現せた。緑岳の肩後方には石狩、音更、ニペソツなど東大雪の山々と望める。しばし感動の一時であった。

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7/21(晴後曇)  白雲岳避難小屋(04:10発)~忠別沼(07:20着07:40発)~忠別岳(08:27着09:08発)~忠別小屋分岐(10:10着10:11発)~五色岳(10:57着11:20発)~ヒサゴ沼(13:20着)

熊の恐怖で女性2人組に同行を求められ、途中まで一緒に歩いた。高根ヶ原ではコマクサやウルップ草などの高山植物の群落に感激、また展望も良く、旭岳より白雲岳の雄大な表大雪山塊が一望出来、行く手には忠別岳、左方には石狩岳、ニペソツ山など東大雪の山々と素晴らしい。 忠別沼や五色ヶ原のお花畑には言葉も出ない。忠別岳山頂からはトムラウシが全貌を現し、夕張、芦別岳方面も望めた。本州の山には無い広大な台地状の花と残雪の山々は感動の一言に尽きる。 五色沼から化雲岳へは這松帯トンネル道で参る。残念ながら五色ヶ原からのトムラウシはガスで隠れていた。化雲岳は体力的にキャンセルし、ヒサゴ沼では避難小屋は満杯が予想される為、テントを設営した。テント派も多く、この日沼畔には一大テント村が出来ていた。

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7/22(曇時々晴)  ヒサゴ沼(04:45発)~天沼(06:10着06:35発)~北沼分岐(08:35着発)~トムラウシ(09:00着10:10発)~南沼キャンプ場(10:40着10:50発)~休憩20分~前トム平(12:42着13:00発)~カムイ天上(15:40着発)~短縮コース分岐(16:40着発)~東大雪荘(18:40着)

3時起床、朝食後テント撤収。5時前に出発、ガスが濃い。急な斜面の雪渓を登り、お花畑の天沼に到着、依然ガスが厚い。この辺は日本庭園と言われるらしく、岩と沼、苔むした岩には高山植物が満開、這松と残雪の別天地だ。ロックガーデンを越え、北沼分岐より最後の登り、ガスが少々切れ始めた。急登で岩をぬってついに山頂。狭い山頂には10名程の先行者が居た。到着後10分位経過したか、いきなり日が指しグングンガスが切れ始めた。山頂に居る全員が歓喜の声。一気にガスが晴れ青空になる。北沼、南沼、山頂一帯が現れ、ニペソツ、ウペペサンケ、旭岳、日高、沼の原と展望が素晴らしい。残念ながら十勝連峰はガスが取れなかった。1時間も満喫した後下山。  この後、トムラウシ温泉迄の道程が重荷のせいもあるが大変長く苦しいものがあった。 山頂より下った南沼キャンプ場もテントの花が咲いている。 トムラウシ公園迄は花を満喫、外輪山より下った台地の前トム平で東大雪荘にTELで遅れる旨連絡。この後は沢沿いに雪渓を下り、カムイ天上に辛い登り返しをして、後は樹林の中を泥濘と木の根との闘いがひたすら続いた。短縮登山口の分岐よりの2時間が非常に苦しいものがあった。 温泉に到着したのが18時半、多分鈍尻だったであろう。ふらふらで受付をし、すぐ入浴。足の裏に電気が走っているようだ。夕食でビールを2杯一気に飲み干した、この世の天国を感じた。この日は混んでおり、単独者は皆大広間に寝かされたが、横になった途端に爆睡状態に突入した。

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7/23(雨後曇)  東大雪荘(09:00発)~新得駅(10:20着10:32発)~南千歳駅(11:55着12:00発)~千歳AP(12:10着15:00発)~羽田AP(16:30着17:00発)~寄居(20:00着)

東大雪荘はコインランドリーも備えた素晴らしく整った国民宿舎で風呂も料金も良い。朝4時には目が覚めてしまい朝風呂そして洗濯を済ませた。山用品はフロントにて宅急便にて送った。朝食もバイキングで最高。  バスで新得に出る、車窓には北海道ならではの景色が広がりのんびりと眺めた。 特急青空で南千歳、乗り継いでエアポート迄。空港で土産をしこたま購入、宅急便で送った。 搭乗手続きはスムースでガスボンベは2個東大雪荘に寄付して来た。 羽田に下りると思わず暑いの一言、モノレールから東上線に乗りながら現実の世界に又引き戻された。  今回の失敗は防虫スプレーを忘れた事、飛行機にガスを持ち込めなかった事、そして荷物の持ち過ぎである。 今回荷物が約40kgと経験の無い重量で、さすがにきつかったが良く歩き通した。 北海道の山は本州には無いその広大さと原始性にあると思う。素晴らしい山行であった。残念ながらナキウサギやキタキツネには巡り合わなかったが、その分羆にも遭遇しないで良かった。カウベルも2個つけて正解だったようだ。天候にもまあまあ恵まれ1日予備日を摂って正解だった。行動中雨にも降られることも無く、曇やガスの日が多かったが、計画通りに山頂も踏めたし、トムラウシでは山頂にてガスが晴れる云うラッキーにも恵まれた。下山日の翌日より大雪は雨になった。欲を言うと旭岳山頂からの展望と五色ヶ原からのトムラウシが撮影したかった。 今回で北海道の山も幾分知ることが出来、飛行機利用にも自信がついた。

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寄居~羽田 1,580円×2   羽田~千歳 29、000円    道内バス代 4.820円   タクシー代 11,200円   旭岳ロープウェイ 1,750円              特急青空 4,710円   旭岳ユースホステル 7,600円    白雲岳避難小屋 600円×2   東大雪荘 7,000円   土産代20,000円他飲食代など

-山行記, 日本300名山