寄居の山賊

山キチ男の山行記録(旧サイトより徐々に移行中)

山行記

No,306 帝釈(南会津):枯木山(1755m)

2023/08/24

平成28年4月5日~7日(天幕2泊3日)  単独行

4/5(曇)  花園IC(7:20発)~西那須野IC(08:52着発)~安らぎの森(10:07着10:40発)~もちづけ橋(11:15着11:20発)~尾根(11:40着11:45発)~1077mp(?)(16:10着16:20発)~1220mp(17:15着)

先月、時間切れ等で登頂を断念した枯木山へリベンジに挑んだ 。今回は連休の為、テントを担いで1泊で挑む。今回は迷う事なく安らぎの森へ、先月とは違い融雪は進んでいるとは思うが、一応12本爪アイゼンとピッケルも携帯する。ブッシュも考慮し剪定鋏も持った。 安らぎの森を出発するが、流石にザックの重さは堪える。 空模様は予報に反して曇り空で上の方はガスが係る、今回はもちづけ橋より100m位手前より尾根の比較的低い所へ登る、尾根に出ると反対側は雪渓の残る谷になっている。この尾根を忠実に登っていくが、直ぐに蜜藪で道を塞がれた。仕方無く左方の谷側へトラバースして行き急傾斜の壁を這い上がる。尾根上に戻るとここも薮が濃い、又ここから上へはかなりの急坂である。ここからが又大変であった。藪の中、枝を切りながら又、マーキングを付けながらの登りでザックが肩に喰いこむ。冬用ウエアの為、汗ダラダラでブッシュの中枝に掴まりながら這い上がる。しばらく耐えて登ると左手上部に別の尾根が見えて来た(昔の峠道か?)、どうやら合流するようで、とにかくそこまで登ろうと頑張る。 途中前方の大きな木より猿がぶら下がっていて、こちらの事に気づいたらしく慌てて「キャーキャー」騒ぎ飛び降り逃げて行った。 何とか合流したピーク(1077mp?)に辿り着くが何と林道より5時間近く係ってしまった。やはり重荷に激藪は予想より堪えた。 1本立てて1220mpを目指し尾根を進むがこれ又藪の嵐、流石に苦痛だ! 暫く進みやや上りになると見覚えのある景色になり、やっとこ1220mpへ到着した。6時間を擁してしまった、やはり雪が無いとスピードも落ちる。 一服し疲れた体でテントを設営、食事を取り19時過ぎにはシュラフに潜った。途中、寒く何度か目が覚めるが動く元気が無くそのまま眠った。

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4/6(晴) 1220mp(05:50発)~1467mp(07:25着07:40発)~1520mp(08:10着発)~1692mp(10:05着10:20発)~山頂を探す~枯木山(11:38着12:05発)~1692mp(13:05着13:20発)~1520mp(14:20着14:28発)~1467mp(14:48着発)~1220mp(15:55着)

4時半のアラームで目が覚める、外は未だ暗闇。食事をとり準備していると6時近くなり慌てて出発する。  空は快晴だ、昨日とは違い小ザックで荷は軽い、が行き成り藪!痩せ尾根に這い出て又藪の中を登る。先月雪のあった箇所は尽く藪だ。しかしここから一旦下り1467mpへの登りは熊笹の明瞭な踏み跡(獣道)になった。前回撤退した箇所を過ぎ雪も次第に出て来て残雪を取りながら登り1467mpへ辿りつ着いた。雪があれば良いテントサイトになるだろうが、雪はなく熊笹に覆われていた。 これより1520mpまでは歩き易い尾根が続き小広い1520mpへ着く。 これより尾根は右折し1647mpへと続く、雪があり歩き易い、1647mpへ近づくと二重山稜的な広い雪面に着いた。ここで初めて別のマーキングがあり助かる、又雪面に残るカモシカのトレースも目標に向かって伸びている。やっとこ1647mpの取り付きに来るが何と雪の斜面では無く熊笹の急斜面と化していた。これが又大変で笹に掴まりながら目印となる小枝などにマーキングを付けながら這い上がった。山頂直下になるとやっと雪が出て小さい雪庇を登り待望の1692mpへ到着した。展望は最高、目指す枯木山山頂部、歩いてきた尾根、田代山、大嵐山、荒海山、明神ヶ岳、日光連山など美しい。 1本立てる、写真を撮り出発、行き成り腰まで潜る、この後も枯木山の取付きまでのコルは膝まで潜りながら進む。 枯木山へは傾斜はあるが、雪と潅木の中を這い上がり山頂稜線の端に登り着く。 やっと、雪庇歩きになる、展望は最高だ。 暫く進み山頂を探すが見当たらない。稜線を行ったり来たりして迷い、やっとまだ先に山頂がある事に気付く。樹林の中を進み最後の上りでやっと枯木山山頂へ登り着いた。 1220mpより5時間少々擁した。何時も他の方の画像で見ていた山頂の木の前には融雪でシャクナゲがギッチりと枝を張っている。遠くに見える白銀の山並は会津駒方面であろうか、素晴らしい眺めだ。一服が美味い、数年がかりで考えていた山が征服でき満足である、結局アイゼンは持ってきたが、今回は使わなかった。 20分少々ステイし下山に係る、往路を忠実に戻るが時間も気になる。1220mp(テント)まで15時位までには下りたい、テントの撤収にも時間が係るしその後の下りが気になる。 1692mpへ戻る、冬用ウエアで暑いせいもあり喉がやたら乾いて水分をとる、残りは500mペット半分しか無く雪を詰め込む。着実に降下していく、1520mpでは別の方向へもんマーキングがあった。 1467mp下の痩せ尾根へ下る所で一旦、自分の付けたマーキングが分からず、別の方向へ下り途中で気付き又登り返し時間をロスる、。藪の酷い所だ。 何とかテントへは着いたが、時間は16時前、これから慌てて下り間違いでもあってはとよくよく考えてもう一晩テント泊する事にした。水も無いので雪を溶かし外で食事をとる、甘酒が体にしみる、パンやソーセージは疲れもあるせいか余り喉を通ら無い。日が陰ると急激に寒くなるので、19時早々にはシュラフに潜った。明日の天気は昼前より雨との事で、朝一立つ事にする。

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4/7(雨) 1220mp(05:50発)~1077mp?(06:15着発)~尾根下降点(07:30着発)~もちづけ橋付近(07:38着07:40発)~安らぎの森(08:10着08:55発)~湯西川道の駅(09:12着10:50発)~西那須野IC(11:32着発)~花園(13:35着)

最終日は3時半に起床、早すぎるのでゆっくり甘酒を飲み一服し明るくなるのを待つ。6時前に出発、予報通り曇り空だ。最初、先月登ったルートを降ろうと考えていたが、下降場所のマーキングは既に無くなっていた。 迷った末、今回登ってきたルートを下る事にする。 1077mpと思われる所までは意外に早く到着、これより白滝沢方面に下る。 かなり急な尾根だが、下りは早い。マーキングを見つけながら下り、尾根より右方向の谷へ下りる下降箇所に着く。この頃より雨が落ちてくる「早すぎる!!」 一番きつい谷側への下降は困難を極めた。重荷で掴んだ枝が折れ滑り落ちたり、転んだり、四つん這いで急な壁をトラバースして行く。最後には急な所は落ち葉の尻セードで下りまくる。全身雨に濡れ泥だらけだ。いい加減、開き直った頃、林道へ下りる下降点へ辿り着いた。 林道が見えて始めて今回気が緩んだ。 後は淡々と安らぎの森まで雨の中を歩くが、濡れるのは全く気にならなかった。  帰路、湯西川温泉「道の駅」で入浴、3日間の汗を流し、鹿のコロッケ丼の久々の食事で生き返った。   振り返ってみて、先月と違う所は、この10日間で明らかに融雪が進んで山の状態が変化し、残雪の山から藪山に変貌した所だ。これが時間的に大きな要因に挙げられる。しかし2泊は擁してしまったが、念願の山へ上れた事で大満足の山行である。あと失態もあり、テント場の1220mpにヘッデンと鈴を忘れた事、植木鋏と冬用のキャップを落とした事、これ程の代償は過去に無く、それだけ精神的、肉体的にも一杯一杯であったのだと思う。 もし今後行かれる予定のある方で、拾われましたら、ぜひご一報を頂けると有難いです。 また今年新調した冬用ジャケットも藪こぎで穴だらけに!。

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花園~西那須野 4020円×2   湯西川温泉 入浴代 510円   鹿コロッケ丼 800円    走行距離 480km

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